公益財団法人 新潟臓器移植推進財団

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臓器移植フォーラム2009 in 新潟 開催レポート
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 10月4日(日)、新潟市中央区の新潟県民会館小ホールにて「臓器移植フォーラム2009in新潟」を開催しました。
 この催しは、10月の臓器移植普及推進月間に合わせて毎年開催しているもので、より多くの方々に臓器移植の現状を知っていただき、理解を深めていただくことを目的としています。
今回も司会にUXアナウンサーの村山朋彦さんを迎え、臓器移植に関わりの深い方々による講演や体験発表、トークショーなどを行いました。


●新臓器移植法の解説
 新潟県臓器移植コーディネーター・秋山政人より、今年7月に成立した新臓器移植法について、現段階(※)での解説をさせていただきました。
※2010年7月の施行に向け、具体的な運用指針は今後作成されます。
秋山氏講演の様子

●講演1 「肝臓移植」について
 今回は、神戸市の(財)先端医療振興財団副理事長で先端医療センター長である田中紘一先生をお迎えし、ご講演いただきました。田中先生は京都大学の移植チームで1,000を超える症例を手掛けた、生体肝移植の第一人者です。
 肝臓をはじめとするさまざまな臓器障害の説明や、肝臓移植についての具体的な流れ、患者さんが抱える問題や提供を受けた患者さんのその後の様子など、豊富な経験からの興味深いお話をお聞かせいただきました。
田中紘一先生講演の様子

●アトラクション
 2007年のフォーラム(長岡市)でもご登場いただいた「ESPERRANZA(エスペランザ)」の演奏をお楽しみいただきました。フルートとオカリナを演奏する奥田良子さんとベースを担当する勝彦さんの夫婦デュオ。良子さんは厚生労働省が指定する難病の一つ「クローン病」を患い、その悪化により一時音楽活動を断念。しかし、勝彦さんのサポートを得て病気を克服、音楽活動を再開され、現在はその体験を多くの人に伝えるため、講演とコンサートを全国で行っています。この日は「少年時代」や「世界に一つだけの花」などの名曲を演奏。フォーラムに花を添えていただきました。
コンサート 奥田良子さん 勝彦さん

●講演2 「献腎移植、県内の現況」について
 新潟大学医歯学総合病院講師の齋藤和英先生よりご講演いただきました。透析患者数や腎移植症例数の推移のデータをはじめ、「ドナーアクションプログラム」(質の高い救急医療を前提に、ドナー家族の心情に配慮しながら「臓器提供」という選択肢を提示し、移植医療につなげていこうとする活動)の紹介、院内コーディネーターの設置など病院での取り組みなどをお話しいただきました。
齋藤和英先生講演の様子

●移植体験発表(肝臓移植体験発表)
 C型肝炎が進行した肝がんのため、2002年に生体肝移植を受けた坪谷昭子さんの夫・一義さんと三男・宏伸さんにご登壇いただきました。
 昭子さんは、1973年に宏伸さんを出産時に大量出血し、止血剤「フィブリノゲン」の投与でC型肝炎に感染した可能性が高く、肝がんとなりました。2002年に宏伸さんから肝臓の提供を受け、生体肝移植を行いましたが、肝不全が進行し、今年4月にお亡くなりになられました。
 今回は、宏伸さんによる体験発表として、昭子さんの日記を通しての闘病の様子や、ご家族の思い、ご自身の苦悩などを赤裸々にお話しいただきました。
宏伸さん
一義さん
●移植体験発表(腎臓移植体験発表)
 講演2に引き続き、齋藤和英先生にご登壇いただき、腎臓移植を行った瀬藤萌花ちゃんについてのお話をいただきました。
 萌花ちゃんは、先天性の「総排泄腔遺残」「食道閉鎖症」として生まれ、手術を受けましたが、慢性腎不全となり、10歳の時に母親の千春さんから腎臓の提供を受けました。残念ながら千春さんからの腎臓は翌日摘出しなければなりませんでしたが、その後、献腎臓移植を受け、現在は健康な生活を送っているそうです。
 今回のフォーラムに向け、千春さんが綴っていただいたメッセージと元気な母子の写真も紹介されました。
メッセージメッセージ

●トークショー「臓器移植って何?」

 移植医・患者家族・腎臓病患者・臓器移植コーディネーターなど、臓器移植に関わりのある6名によるトークショーを行いました。ナビゲーターの村山さんも交えながら、臓器移植についてそれぞれの立場からの議論が繰り広げられました。

トークショー

■パネリスト(敬称略、左から):
  齋藤 和英(新潟大学医歯学総合病院)
  佐藤 好信(新潟大学医歯学総合病院)
  坪谷 宏伸(患者家族・臓器提供者)
  山崎 理(新潟県福祉保健部健康対策課長)
  片所 秀雄(新潟県腎臓病患者友の会副会長)
  秋山 政人(新潟県臓器移植コーディネーター)

パネリスト1 パネリスト パネリスト パネリスト パネリスト パネリスト

■ナビゲーター  村山 朋彦(UXアナウンサー)
ナビゲーター

最後に、今回のフォーラム開催にあたり、多くの関係機関からのご協力に感謝申し上げます。

■開会挨拶
 (財)新潟県臓器移植推進財団 理事長 荒川正昭(左)
 新潟肝膵小腸移植研究会 代表 畠山勝義(中)
 新潟県福祉保健部 副部長 日下 英司(右)

荒川正昭氏畠山勝義氏日下 英司氏

■閉会挨拶
 新潟県腎臓病患者友の会 会長 佐々木隆
佐々木隆氏



 財団では、これからもより多くの方に臓器移植について理解を深めていただくため、県内各地でのフォーラムを企画していきたいと考えております。ご意見・ご要望などがございましたら、お気軽に財団までお寄せください。


(公財)新潟県臓器移植推進財団 〒950-8570 新潟市中央区新光町4-1 新潟県庁12F健康対策課内 TEL/FAX 025-283-4880